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西大寺四天王像踏鬼



(西大寺四天王像踏鬼、左増長天、右多聞天)

西大寺は、奈良時代後半に、称徳天皇が父の聖武天皇の東大寺に対抗して建てたもので、その造営のため特別に造西大寺司が設けられた。しかし聖武天皇の時代に比べて国家財政が不如意になっており、東大寺ほど豪華なものはできなかった。しかも、度重なる火災によって建物が焼失し、現存する伽藍はすべて江戸時代以降の再建である。

西大寺の本尊は、四天王寺同様四天王像である。創建当時のものは火災によって失われてしまい、現在四王堂におかれているものは後世の作である。ただし、踏鬼だけは創建当時の姿を今も伝えている。

四つそれぞれに仕草や表情が違い、個性を感じさせる。共通するのは、形がおおまかで力強さを感じさせる点だ。おおまかすぎて粗雑なところがあるのは、あるいは火災による損傷のせいかもしれない。

西大寺といえば、善財童子を含む文殊菩薩一行が有名であるが、これは鎌倉時代の作である。






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