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伎楽面:正倉院宝物



(伎楽面<呉女面>、縦34.5×横23cm)

伎楽面は日本最古の仮面で、正倉院には実に171面の多数が伝わっている。それらの面の大部分は天平勝宝四(752)年の東大寺大仏開元の際に行われた供養会に用いられたものである。

伎楽と言うのは、別名を呉楽ともいうように、中国江南地方の呉の国で行われていた古代の楽舞である。飛鳥時代に百済から帰化した味摩之によって伝えられたという。その後、仏教儀式に取り入れられ、仏教の勃興とともに盛んになり、天平時代にはピークに達したが、平安時代には廃れてしまった。

上の写真は3面ある呉女面のうちもっとも美しいもの。双髻を結っているのは呉の風俗である。眼孔、鼻孔のほか耳後の紐通孔が開いている。


(伎楽面<獅子面>)

獅子面は8面あり、これはその一つ。呉女面が能面のようにして顔の前面に取り付けたのに対して、これは獅子舞とおなじようにして使われたのだと思われる。現在に伝わる獅子舞の原形であるわけだ。顎も上下に開くようにできている。





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