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即成院の阿弥陀如来と二十五菩薩像:藤原彫刻6



(即成院の阿弥陀如来と二十五菩薩像、木造・漆箔、中尊の像高233.6cm)

即成院は京都東山の泉湧寺の塔頭のひとつ。そこに安置されているのが阿弥陀如来と二十五菩薩像。これらはもと伏見寺にあり、寛治八年(1094)に頼通の三男橘俊綱が作ったとされる。ただし、阿弥陀を含む二十五体のうち、当初のままのものは脇侍の両観音像を含む十体の観音像であり、阿弥陀如来が後世に他の寺から移されたほか、十五体の観音像は江戸期の作である。

阿弥陀如来は他の寺から移されたとはいえ、やはり平安時代後期の作であると考えられ、定朝様式の特徴をとどめている。

このように、阿弥陀如来が大勢の菩薩を従えている場面は、阿弥陀来迎の場面として、この当時の絵画に多く描かれた図柄である。この仏像群は、阿弥陀来迎の様子を立体的に表現したものだといえよう。これと同じような仏像群は他にも作られたと思われるが、今日に伝わるのは、これだけである。







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