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蓮華王院風神・雷神像:運慶と鎌倉彫刻




蓮華王院の風神・雷神像は、二十八部衆像と共に、千躰千手観音の眷属として安置されているものだ。風神・雷神の由来については諸説あり、もっとも有力なのは日本神話とそれがもとになった民間伝承に起源を求めるものだが、二十八部衆同様仏教起源だという説もある。蓮華王院の風神・雷神は、宋本における風神・雷神のイメージを形象化したものと言われており、その点では仏教起源説に従っているといえよう。

風神(上の写真)は、風の入った袋を担ぎ上げ、その袋の口を開いてそこから風を噴き出す姿で描かれている。一方雷神(下の写真)は、太鼓を円形に連ねたものを背負い、それらの太鼓を打つことで雷鳴をとどろかすイメージであらわされている。



どちらの像も、顔の表情といい、躍動する筋肉の表現といい、写実を基本としながらも、両神の暴力的な性格をイメージ豊かに表現しているといえる。作風からして、二十八部衆に通じるものがあり、湛慶とその周辺の仏師たちの手になるものと考えられる。

両像とも木造寄木造りで玉眼。風神は朱色、雷神は緑青で彩色されている。

(木造寄木作り彩色 像高風神112.0cm 雷神100.0cm 京都蓮華王院)






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