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蕪村の動物画



(猛虎飛瀑図 絹本着色 114.0×135.0cm)

蕪村は、数はあまり多くはないが、動物絵も手がけている。同時代には伊藤若冲が動物絵の大家として人気があったから、そちらを意識したこともあっただろう。

これは、「猛虎飛瀑図」と題し、流れ落ちる滝を背景に、日本の孟宗竹を前景にして、虎を描いたもの。虎は日本にはいなかったから、中国から伝わった絵手本などを参考にして描いたとおもわれる。自然の風物の描き方には、清の画家「沈南蘋」の影響が認められる。

讃岐滞在の期間、一時京へ帰った時期(明和四年)に描かれたもの。署名には「明和丁亥夏四月謝長庚」とある。


(狗子図 絖本淡彩 24.0×27.4cm)

四点連作の小襖絵の一つ。愛嬌のある子犬の表情は、若冲の動物とはまた違った雰囲気をあらわしている。

署名は四枚続きの襖の右端に「謝長庚写」とある。元代の画家王元章の作品を写したものである。







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