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老松孔雀図:若冲動植綵絵




「老松孔雀図」は、老松を背景にして、孔雀を画面いっぱいに描いている。同じようなテーマのものとして、「老松白鳳図」と対をなす。右下に居士若冲製とあり、製作の年月は記さない。

孔雀は岩の上に片足を乗せて立ち、首を後ろに曲げている。一本足で、鳥の首を曲げるのは、若冲の特徴の一つだ。足元の岩の周囲にはボタンの花が咲き乱れ、老松は右から左上に向かって延びている。

松の葉も、孔雀の羽も、ボタンの花も、それぞれ微細な線を丁寧に描きこんでいる。このような線描の繊細さも、若冲の大きな特徴である。

孔雀の羽の模様はハート型をしており、金泥を地にして、緑青と群青を重ねている。羽の模様がハート形なのは、対の作品「老松白鳳図」と同様。

なお、大典和尚はこの絵を、「芳時媚景」と題した。(142.1×79.5cm)



これは、孔雀の上半身を拡大したもの。一枚一枚の羽とハート型の模様が丁寧に描かれているのがよくわかる。







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