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南天雄鶏図:若冲動植綵絵 |
「南天雄鶏図」は、たわわに実をつけた南天の木を背景に軍鶏を描いたものである。軍鶏は両脚を踏ん張り、頭を後ろに回して、何かを見つめている。おそらく南天の実であろう。南天の実は画面一面に無造作に描かれているようだが、軍鶏も視線とかかわりを持つことで、画面上の必然性を主張しているかのようである。 南天の赤と、軍鶏の黒との対比がこの絵の特徴だろう。赤と黒だけだとやや単調に傾くので、大輪の菊を白く描いたり、ところどころ緑を散らしたりしてバランスをとっている。 この絵は、大典和尚が制作途上の動植綵絵十五幅を見たときには含まれていなかった。(142.6×79.9cm) これは、軍鶏の部分を拡大したところ。胡粉と墨で混色した線で、羽毛の模様を丁寧に描いている。こうした微細さは、若冲特有のものである。恐らく高価な筆を使っていると思われる。 |
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