日 本 の 美 術 |
HOME|ブログ本館|日本文化|美術批評|東京を描く|水彩画 | 動物写真 | プロフィール|掲示板 |
姿見七人化粧:歌麿の美人画 |
(姿見七人化粧 大判錦絵) 「姿見七人化粧」と題したシリーズの一枚だとされるが、伝わっているのはこの一枚だけ。ほかの六枚は散逸してしまったのか、あるいは最初から作られなかったのか、よくわからない。しかし、この一枚は、歌麿の最高傑作のひとつとの評価が高い。 大きな鏡を前にして、身づくろいをする女の色気のある表情が描かれている。鏡の中に大きく写った顔の表情とともに、襟足の微妙な線など、後姿にも色気を感じさせる。 直接の説明はないが、着物の紋からして難波屋おきたと思われる。おきたは、寛政五年当時十八歳の娘盛りであり、この絵はその年頃のおきたを描いたもののようである。 なお、歌麿は中間色を配した色彩のバランスに優れていたが、時には色彩を抑えて黒を強調するすべも心得ていた。この絵は、黒の使い方がとりわけ印象的な一枚である。 |
HOME|歌麿|次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2015 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |