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当時全盛美人揃(一):歌麿の美人画



(越前屋内 唐土)

「当時全盛美人揃」は「当時全盛似顔揃」の好評に気をよくして、美人大首絵の第二段として刊行された。「当時全盛似顔揃」十枚のうち四枚が、ほとんどそのままの形で転用されている。

これは越前屋の売れっ子芸者唐土を描いたもの。「当時全盛美人揃」の一枚絵である。唐土はもろこしと呼ぶのだろう。唐土の美人、たとえば西施とか楊貴妃にあやかって、この名をつけたのだと思われる。

表情からは、おっとりとしたところが伝わってくる。こうしたおっとりとしたところが、唐土の美人を連想させたのかもしれない。

外題のわきに、あやの、をりの、とあるのはいづれも女の名のようだが、それがこの絵の主人公とどういういわれがあるのか、よくはわからぬ。


(玉屋内 花紫)

これは玉屋の売れっ子花紫を描いたもの。きりりとしまった顔と衣装の黒とが相乗効果をかもし出している。黒々と太いまつげは、意思の強さをあらわしているように見える。

外題のわきに、せきや、てりは、とあるのは、これも女の名のようである。







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