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芝増上寺日中、赤坂紀伊国坂:小林清親の東京名所図



(芝増上寺日中)

芝増上寺は、上野の寛永寺と並んで徳川家の菩提寺である。十五代将軍のうち六人がここに葬られた。寛永寺が天台宗なのに対して増上寺は浄土宗である。また寛永寺が江戸城から見て鬼門の方向にあるのに対して、増上寺は裏鬼門にあたる。

増上寺はまた、幕府直轄の学問所としても威勢を誇り、広大な敷地内には、数多くの建物が並んでいた。それらのほとんどは、東京大空襲の際に消失し、焼け残ったわずかの建物は重要文化財に指定されている。

これは、焼け残った数少ない建造物の一つ三解脱門。北側から眺めた構図である。左手に覗いている並木道は、いまでも存在している。


(赤坂紀伊国坂 明治十三年)

紀伊国坂は、赤坂見付から弁慶堀沿いに、四谷方面へ向かってゆるかやに登る坂である。単に赤坂ともいい、赤坂の地名の由来ともなった。坂を上る途中、左手には赤坂離宮の敷地を望む。

図柄は、四谷方面から赤坂見付方面を眺めおろしたもの。緩やかに下る坂道の、右手は今の赤坂離宮の敷地、左手に弁慶堀が見える。







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