日 本 の 美 術 |
HOME|ブログ本館|日本文化|美術批評|東京を描く|水彩画 | プロフィール|掲示板 |
湘南風景:萬鉄五郎の風景画 |
![]() 「湘南風景」と題されたこの絵は、冬枯れの自然をモチーフにしていることから、「窓」を描いた年の晩秋か初冬の景色なのだろう。松の葉を除いては、寒々しい冬枯れの眺めが広がっている。 おそらく、茅ケ崎の自宅の近所の風景であろう。この絵を描いたころに、長女のトミ子が結核で死んでいるのだが、この絵にはそうした悲しいできごとは、背景として感じられない。淡々と自然に向き合っているといった風情だ。 鉄五郎は、この絵を描いてから半年ほど後に、長女の死を追うようにして、自分も死んでいくのだが、そうした死の影も、この絵には見られない。 (1926年 カンバスに油彩 49.0×59.3㎝ 東京国立近代美術館) |
![]() HOME | 萬鉄五郎 |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2021 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |