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天平琵琶:正倉院宝物 |
(木画紫檀琵琶、長さ100cm、幅41.7cm) 正面(左側)の表面の板は沢栗、覆手(絃止め)は楓、鹿頸(細くなった部分)、乗弦、転手(絃を巻くところ)及び裏面(右側)は紫檀である。 撥受けの部分に丹塗りの皮を張り、その上に緑青、白緑、群青、朱、胡粉などを使って絵柄を描いてある。裏面には、蓮華、宝相華を中心にして、その周囲に様々な鳥や花柄などを散らしている。 (撥受けの部分に丹塗りの皮を張り、その上に緑青、白緑、群青、朱、胡粉などを使って絵柄を描いてある。裏面には、蓮華、宝相華を中心にして、その周囲に様々な鳥や花柄などを散らしている。 (螺鈿紫檀五弦琵琶、長さ108cm、幅31cm) 琵琶は普通四弦であるが、五弦の琵琶はインドに起って、北魏から唐の時代にかけて完成されたといわれる。今現存するものとしては、世界でこれひとつだそうである。 表面(左手)の腹に張ってある板は沢栗、撥受けの部分に玳瑁(たいまい、鼈甲)を張り、そこにラクダに乗って琵琶を弾く人の図柄を描き、また玳瑁以外の部分には、13個の花弁の文様を規則正しく描き入れている。 裏面(右手)の材質は紫檀で、上下に螺鈿で大宝相華文を配し、それらを囲むようにして鳥と飛雲の文様を一面に散らしている。 五弦琵琶としては世界でただ一つの遺品であることや、螺鈿の技法が非常に精緻なことから、正倉院宝物の中でも屈指の宝物といえる。 |
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