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密教建築5:石山寺



(石山寺本堂)

滋賀県大津市にある石山寺は、奈良時代に創建された古い寺であるが、平安時代に密教寺院になった。醍醐寺の開基として知られる聖宝僧正が座主として入寺したと伝えられるから、醍醐寺の創建と同じ頃に密教化したものと思われる。

奈良時代に作られた本堂が焼失した後、永長元年(1096)に再建された。これが現在の本堂のうち、正堂部分である。正堂に接する礼堂部分は、慶長7年(1602)の建築である。正堂は桁行七間、梁間四間、礼堂は桁行九間、梁間四間で、この両者を奥行き一間の合間でつないでいる。

山地伽藍らしく斜面の上に立っているので、前面の舞台を束で支える懸造りになっている。正堂部分は土間床だが、礼堂の床は板敷きである。


(石山寺多宝塔)

石山寺多宝塔は、建久五年(1194)に作られた。それ以前には塔はなかったものと思われる。

この塔は、現存する多宝塔のなかでは最も古く、形態ももっとも美しいといわれる。上階の軸部は細く引き締まり、下階は広くがっしりとしている。屋根は桧皮葺で、緩やかな勾配を描き、美しい姿をしている。





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