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鳥獣戯画2(宴会の準備)




射的の場面に続いて、なにやら荷物を運ぶ動物たちが描かれている。様子からして、宴会の準備をしているようである。先頭にいる兎が、弓を抱えながら、ほかの兎たちを扇で鼓舞しているところは、早く運んで来い、という意味なのだろう。二羽の兎が宴会道具を収めているらしい駕籠を担いでいる。駕籠の上には、二羽の小鳥が乗っているが、どうやら串刺しにされているらしい。

動物たちのまわりには草花が丁寧に描きこまれ、野原での園遊気分をかきたてているようである。



これに、大きな甕と駕籠が続く。甕の中には酒が入っているのであろう。また、その後ろの駕籠には、さまざまな食べ物が収まっているようである。それを兎が覗き込んで、いまにも涎をたらしそうな雰囲気に見える。

この画面でも、草花が繊細な筆使いで描きこまれている。



琵琶らしきものを担いだ兎と、頭に箱を乗せて運ぶ狐。兎や蛙たちがみな裸なのに、なぜか狐だけが装束を着ている。

列の最後には、薄の茎を担いだ兎が続く。手前には枯木が描かれている。薄といい、枯木と言い、季節は秋の終わりころであろうか。







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