日 本 の 美 術
HOMEブログ本館日本文化美術批評東京を描く水彩画動物写真 |プロフィール掲示板



病草紙2(京都国立博物館本2)



(痔瘻の男)

または、尻に穴多き男ともいう。痔瘻とは、蓮痔ともいい、肛門の周辺に穴があき、そこから膿がでるという病気。この絵では、膿ではなく、便が多数の穴から出ているように描かれている。男が苦痛にゆがんだ顔つきをし、女が男の尻を覗き込んでいる。


(眼病の治療)

詞書には、目を病んでいる大和国の男のもとに、目の医者だと自称する男が来て、鍼がいいだろうといって目に鍼を打ったために、男の目はよくなるどころかますます見えなくなってしまったということが描かれている。病気の説明と言うよりは、病気をめぐる説話のようなものと考えられる。

絵には、医者が患者の目に鍼を打つところが描かれている。患者の目からは血が吹き出し、女が差し出した盆の中に注ぎ込んでいる。


(小舌の男)

小舌というのは、通常に比較して舌が小さいことをいうのであろう。この絵をよく見ると、男の舌が小さく描かれている。その男に向かって、別の男が干物のようなもので何やらしているが、それがどういう意味なのかよくわからない。というのも、舌ではなく、顎を引っ張っているように見えるからだ。また右側に描かれた男は箸を持っているが、これも意味がよくわからない。







HOME六道絵次へ










作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2015
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである