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雪舟の破墨山水図(二)




これは、雪舟の破墨山水図の中では、もっとも強い躍動感を感じさせるもの。破墨図にしては描きすぎだという指摘もあるが、構成はがっちりとしており、筆致もなめらかだ。

近景には峻厳な岩山を配し、遠景にはうっすらと山を描いた手前に、人間の影らしいものを加えている。こうした図柄にも人間を加えたくなるのは、雪舟のこだわりなのだろう。

賛は、詩僧として有名だった景徐周麟によるもの。「老屋数間雲一隅門前山合又山開好詩載在舟中否吟遍満川風月回」とある。絵の雰囲気とはあまり関係のないことが書かれているわけだ。(紙本墨画 22.5×35.2cm 出光美術館)



これは、明応九年(1500)雪舟馬歯八十一の年に、弟子の宋淵にあてた書状に添えられていたもの。

書状のおまけというわけか、ややぞんざいな描き方になっている。







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