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文清:室町時代の水墨画




文清は15世紀半ばに活躍した人で、周文の弟子筋にあたり、松渓ともに山水図が得意であった。その作品には、一休の師養叟や中国の禅僧楊岐の頂相画などがある。また、朝鮮水墨画の影響も指摘されていることから、朝鮮に渡ったことがあるのだろうと思われる。

上は、「維摩居士像」。大乗経典に出て来る架空の人物で、在家のまま菩薩の業を行ったと伝えられる。禅宗の画僧が好んで画題にしたもので、東福寺などにすぐれた作例が残されている。

上部に存耕祖黙の賛があり、それによれば、長禄元年(1457)、駿河守荒川詮氏の没後その姿を模して維摩居士を描き、菩提寺に掲げられたという。(紙本墨画 92.5×34.4㎝ 大和文華館重文)



これは、「山水図」。山水図は文清の得意としたもので、師匠周文の様式を踏まえながら、新しい境地をめざしている。西湖に松竹梅の歳寒三友が配されている。上部に、瑞渓周鳳と一条兼良の賛がある。(15世紀中ごろ 紙本墨画 81.0×34.0㎝ 大阪、正木美術館 重文)





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