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山水花鳥図:狩野元信




狩野元信は、正信の嫡子として狩野家の繁栄を託された。しかし時代は戦国の世と変わり、かれは足利将軍家の保護を期待できなかった。一時は諸国を放浪するほど困窮したらしいが、やがて京都の有力寺院の保護を得て、狩野派の存続を図った。苦労しながら家を盛り立てていったのである。

この山水花鳥図は、元信の初期の代表作である。京都大徳寺の塔頭大仙院の襖絵として制作された。この襖絵は、計八面からなり、上に掲げた四面はその一部である。四季それぞれの山水と花鳥をあしらったこれらの絵は、水墨を基調として、花鳥の部分に淡彩を施している。



これは、四季山水の夏にあたる部分で、大きな松樹とそこにとまる三羽の小鳥を描いている。全体のうちのほぼ中央に位置しており、構図のかなめといった役割を果たしている。なお、これらの襖絵は、保存のために掛幅に改装されている。
(紙本水墨淡彩 各174.5×139.5㎝ 京都国立博物館 重文)





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