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霊雲観覧桃図:狩野元信




京都妙心寺塔頭霊雲院方丈の襖絵群は、狩野元信の作品である。この塔頭が建立されたのは天文十二年(1543)であるが、この襖絵群はその際に制作されたものと思われる。上の写真はそのうちの一点、霊雲観覧桃図である。

霞の中から浮かび上がった瀑布を背景に、桃の木を描いている。この桃の木には花が咲いておらず、また実もなっていないので、おそらく夏の風景なのだろう。瀑布のすがすがしさは、夏にこそふさわしい。

前にとりあげた初期の傑作大仙院襖絵と比較すると、よりやわらかな雰囲気が漂っている。(東京国立博物館蔵)





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