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檜図:狩野永徳




枝を大きく張った檜の巨木を大画面いっぱいに描いたこの図柄は、安土桃山時代の障屏画を象徴するような作品だ。檜の質量感を強調するために、背景は単純化され、色の数も少なめにしている。

もともとは八条宮智仁親王の屋敷内の襖絵として描かれたものを、のちに八曲一隻の屏風絵に仕立て直したものだ。親王の屋敷の落成時期からして、永徳最晩年の作品と思われる。もっとも、永徳の真筆を疑う説もある。



これは檜の幹の部分を拡大したもの。ごつごつと曲がりくねった幹から、多くの枝が別れ出て、これらもやはり様々な方向へ曲がりくねっている。(八曲一隻 紙本金地着色 170.3×460.5㎝ 東京国立博物館 国宝)






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