日 本 の 美 術 |
HOME|ブログ本館|日本文化|美術批評|東京を描く|水彩画 | プロフィール|掲示板 |
波濤図:尾形光琳 |
![]() 渦を巻いて盛り上がる波濤を描いたこの絵は、宗達の「雲龍図屏風」にヒントをえたものと考えられる。雲龍図屏風のなかから、波濤の部分を単独に取り出して、それを拡大しながら、二曲の屏風の面に定着した。この二曲の屏風面は、ほぼ正方形に近く、しかも大画面なので、表現の場としては色々な工夫が可能である。光琳はその可能性を最大限生かして、新しい表現様式を模索したのだろう。 「道崇」の印が押されているが、これは宝永元年(1704)年から用いられたもの。また、宝永五年(1708)年の書状には、毎日雪舟の模写をしているとあり、そこから得た画法がこの絵にも通じるところから、その頃の作品ではないかと推測される。 (紙本金地着色 二曲一隻 146.6×165.4㎝ ニューヨーク、メトロポリタン美術館) |
![]() HOME| 琳派 | 次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2019 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |