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松島図屏風:尾形光琳 |
![]() 尾形光琳は宝永末年から正徳の始めにかけて、宗達の大作を相次いで模写した。それによって、自分自身大作の創作へと飛躍した。宗達の「松島図屏風」については、まず模写をしたうえで、それを自分なりに翻案したものをいくつか描いた。今日残っているのは四点である。その一枚が、ボストン美術館にあるこの「松島図屏風」である。 宗達の松島図は左右二隻からなるが、光琳はそれを一隻に凝縮して描いた。そのせいか、画面にはやや混雑した印象もうかがえるが、全体としては勇壮な感じを受ける。とくに波のダイナミックな描写が特徴で、暗雲の動きとあいまって独特の躍動感を演出している。 ![]() これは、右端の岩の部分を拡大したもの。背後の雲が波の延長のようにも見える。もしそうだとしたら、波を見る視点と岩を見る視点が分裂していることになる。 この図屏風は、フェノロサが大名家から買い取り米国に持ち帰った。 (紙本着色 六曲一隻 各150.2×367.8cm ボストン美術館) |
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