日 本 の 美 術
HOMEブログ本館日本文化美術批評東京を描く水彩画 | プロフィール掲示板



蔦の細道図屏風:深江芦舟




深江芦舟は光琳に直接師事した弟子だ。父親が銀座役人だったことから、同じく銀座役人で光琳の庇護者であった中村内蔵之助を介して光琳に近づいたと言われる。画風は、光琳の重々しい作品を思わせるものが多く、その点、光琳の軽快で衣装的な図柄を受け継いだ渡辺始興と対照的である。

この「蔦の細道図屏風」は、「伊勢物語」第八段東下りに取材したもので、蔦のからまるお暗き山中をゆく業平一行を描いている。

宗達の「源氏物語関屋図」や光琳の団扇画中の図柄から転用して画面を構成しており、山の描き方に特色があるが、全体として重々しい雰囲気に仕上がっている。

なお芦舟はこの題材が気に入ったと見えて、図屏風だけでも三点制作している。この作品はそのうちもっともすぐれたものである。

(紙本着色 六曲一隻 132.5×252.0㎝ 東京国立博物館 重文)





HOME琳派次へ








作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2019
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである