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大燈国師:白隠の禅画




これも永青文庫所蔵の大燈国師像。乞食大燈像とほぼ同じ構図だが、頭に笠をかぶっていること、左手で椀を持っていること、背中に薦のようなものを背負っていることなどに相違が見られる。右手でなにかの印を結んでいること、左手でズタ袋を持っていることなどは共通している。

顔の表情や、着ているものの描き方は、こちらのほうがやや穏やかな印象を与える。どちらが先に描かれたか、それはよくわからない。

賛には「乞者隊裏被席、見生擒依貪甜瓜、手なしに瓜をひきやるなら成程足なして参り申さふ」とある。後半の文は、乞食大燈像にあるものとほぼ同じである。好物の瓜をもらえるなら、いざってでも参ろうという意味で、国師が瓜に眼のないことを表現したものだ。



これは上半身の部分を拡大したもの。目つきはあいかわらず鋭い。それに比べると、手指の動きは繊細に見える。

(紙本墨画 131.7×57.7cm 永青文庫蔵)






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