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浅間山真景図:池大雅の世界




「浅間山真景図」は、信州の浅間山を描いたとする説と、伊勢の朝熊岳を描いたとする説と、ふたつある。ここでは、信州の浅間山を描いたものとする。池大雅は宝暦十年(1760)の夏から秋にかけて、親友の高芙蓉らとともに、白山,立山、富士山を上り巡る所謂山岳紀行の旅をした。その際に、信州の浅間山をスケッチしたものをもとに、あとで完成させたのがこの絵だと考えられる。

場面には、浅間山から富士山へとつながる稜線が描かれているが、その視点は一点に集約され、そこからのパノラマが見事な遠近法で表現されている。そこに西洋画の影響をみる見方もある。(57.0×102.7cm 紙本淡彩)



これは画面の上部を拡大したもの。題賛に「雲簇東西南北嶺 烟披十萬八千巌 奉以龍門祇園先生 平安池無名」とある。龍門祇園とは祇園南海のことだと考えられる。南海は1751年に死んでいるから、この絵は南海の死後10年を記念して捧げられたのであろう。







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