日 本 の 美 術
HOMEブログ本館日本文化美術批評東京を描く水彩画 | プロフィール掲示板



雲竜図屏風:円山応挙




雲竜図屏風は京都の東寺観智院に伝来していたもので、灌頂の儀式に用いられていたという。水の儀式でもある灌頂の儀式には、水の王者である龍ほどふさわしいものはないということであろう。

龍は無論空想上の生き物であるが、それを応挙は実際に生けるものの如く写実的に描いている。それがこの絵のミソだ。この龍の図柄を応挙は、中国の牧谿や陳容から学んだという。左右両隻とも、雲の合間を疾駆する龍の動きが躍動感を以て表現されている。

上は、左隻の龍。右隻の龍とは、ちょうど向かい合うような図柄になっている。



これは右隻の龍。鱗に施された金泥が非常に効果的に見える。そのほか、垂らしこみ、にじみ、ぼかしなどの技法が効果的に使われている。

(安永二年<1773年> 紙本淡彩 六曲一双 各176.0×365.0㎝ 国宝)





HOME円山応挙 次へ








作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2020
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである