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雪松図屏風:円山応挙




「雪松図屏風」と題したこの一双の屏風図は、豪商三井家の注文を受けて描いたもの。三井家は呉服屋として出発し、両替なども手掛けながら、当時日本有数の豪商に発展していた。その三井家の勢いを、この屏風図は感じさせるように描いている。

左(上の絵)が雌松、右が雄松だとされている。両者とも、雪をかぶって毅然と立つ姿が強調されている。雪の部分は紙の地を塗り残すことによってあらわし、松の幹は付立て法で、また枝は片ぼかしの技法を用いて表現されている。いずれも墨画の伝統的な技法である。

背景には金を有効に使うことで、雪と松を浮かび上がらせる効果をねらっている。



これは右隻。左隻の雌松に比較して、雄らしい勇壮さが感じられる。

(紙本墨画淡彩 六曲一双 各155.7×361002㎝ 三井文庫 国宝)





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