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旭日雄鶏図:若冲プライス・コレクション




「旭日雄鶏図」は、真紅の旭日に向かって、松の枝の上に止まった雄鶏が見上げているところを描く。構図としては単純だが、雄鶏の描き方は、毛の一本にいたるまで、実に丁寧だ。こうした鶏の描き方は、動植綵絵における初期の鶏の描き方に通じるところがある。

一方、松の幹や枝の描き方はざっくりとしており、平面的な印象を与える。松葉の描き方も、動植綵絵の「老松白鳳図」におけるそれにくらべると、ややぞんざいな印象は免れない。

モチーフのめでたさを強調することに力点があるのではないか。右下に「心遠館若冲製」とあり、製作時期の記載はない。



これは、雄鶏の部分を拡大したもの。黒い尾羽の重なり具合がひとつの特徴に見える。







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