日 本 の 美 術 |
HOME|ブログ本館|日本文化|美術批評|東京を描く|水彩画 | 動物写真 | プロフィール|掲示板 |
鯉魚図:若冲プライス・コレクション |
「鯉魚図」は、水面から出て飛び跳ねる鯉を描いたもの。全身ではなく半身なのは、鯉の動きの躍動感を強調するためと思われる。鯉は頭を上に持ち上げ、前鰭を前方に伸ばして、大きく跳躍しようとしている。鯉の下の水面は、鯉の動きによって波しぶきを立てている。そうした躍動感が如実に伝わってくる。 鯉の頭の黒々とした彩色と、波しぶきの薄い彩色とが、鱗の中間的な明度を介して、メリハリのある色彩対比をもたらしている。絵を明暗で見せると言うのは、水墨画ならではの特徴である。 無署名で製作時期の記載もないが、「千画絶筆」の押捺があることから、「芭蕉雄鶏図」同様安永年間の作と思われる。(106.0×40.7cm 紙本) これは鯉の部分を拡大したもの。鱗の部分が筋目描きの技法で丁寧に描かれている。 |
HOME|伊藤若冲|プライス・コレクション|次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2016 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |