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目黒太鼓橋夕日の岡、愛宕下藪小路:広重の名所江戸百景



(111景 目黒太鼓橋夕日の岡)

目黒の太鼓橋は、目黒駅から行人坂を下って目黒川にかかっている橋。横から見ると太鼓のように見える石造りの橋である。江戸市中で石造りの橋は珍しかったから、人びとが目黒不動に参るついでに訪れたようだ。

この絵は、目黒川の上流方面から太鼓橋を眺めた構図。左手に見える岡が夕日の岡。目黒雅叙園があるあたりだ。この丘からは夕日が美しく見えたので、夕日の岡と呼ばれるようになった。目黒の不動尊は橋を右に渡って先に進んだところにある。

雪に包まれた景色を描いている。橋を渡っている人々は、いかにも寒そうな様子だが、厚着はしていない。空の色は、降る雪を浮かび上がらせるために、濃い藍色に染められている。


(112景 愛宕下藪小路)

愛宕下藪小路は、愛宕神社石段前の通りである。通りの西側に、今は存在しないが、桜川という川が流れていた。川とはいっても、どぶ川、つまり下水路である。外堀方面から流れて来て、赤羽川に流入していた。

この絵は、外堀近くから愛宕山方面を望んだ構図。遠景に見える森が愛宕山である。山の上には愛宕神社がある。

画面右手に桜川。それをまたぐようにして立っている建物は、大名屋敷の辻番所。雪景色のなかを、結構多くの人々が行き交っている。





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