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貽咲墨戯から円通幽栖:富岡鉄斎の世界




「貽咲墨戯」は、鉄斎が米寿記念に作った書画帖。書が十三、画が十三、ほかに題字跋をあわせて全二十八ページからなる。これはそのうちの「円通幽栖」と題した画。円通については、「阿倍仲麻呂明州望月図」と一対をなす「円通大師呉門隠棲図」でも取り上げている。

図柄としては、川のほとりの呉門寺のたたずまいを俯瞰したかたち。前作では、呉門寺は太古のほとりの、巍巍たる岩山の中にあることになっていたが、この図では、どうやら川のほとりにかわっている。どちらが実景に近いのかはわからない。

対応する文の中で、藤原道長が円通の帰国をうながした手紙が引用されている。

(1923年 紙本着色 38.0×27.0cm)





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