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地獄太夫図:河鍋暁斎の美人画 |
地獄太夫とは、一休さん伝説に出てくる遊女。一休さんが和泉の国の境の町である遊女と逢ったときに、その遊女との間で歌のやりとりをするが、そのうち遊女が名高い地獄太夫であることを知り、「聞きしより見て恐ろしき地獄かな」と詠んだところが、地獄太夫は「しにくる人の落ちざるはなし」と下句をつけた、と伝わっている話だ。 地獄太夫と呼ばれた理由は、着物の柄に地獄の有様を描いていたからだと言われる。見た目も派手で美しかったようだが、頭も切れたということらしい。 暁斎はこの「地獄太夫図」で、地獄太夫と戯れあう一休を描いた。一休がひょうきんな表情で踊っているのに対して、地獄太夫のほうはきりりとした顔つきで、一休をじっと睨んでいる。背後の屏風とそれに立てかけられた衣装の柄に地獄の有様が描かれ、この遊女が地獄太夫であることを物語っている。 これは一休さんの踊る様子を拡大したもの。一休さんは髑髏の上に乗って、扇で音頭を取りながら踊り狂っている。その周りには何体かの骸骨がいて、一休さんの踊りに合わせて踊っている。 (明治四年以降 絹本着色 54.8×98.3㎝ 個人コレクション) |
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