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炎出見命(美勇水滸伝):月岡芳年 |
慶応二年から三年にかけて出版された「美勇水滸伝」は、師国芳の「水滸伝」シリーズを踏まえたものだが、題材は当時流行の読本などに登場する人物にとっている。その数五十図。画集の趣旨を芳年は序文に次のように記した。 「一魁斎芳年教頭。単身勇門の末座に出て。奪体換骨し。梓客の応需。義勇善悪好漢麗婦の容像を画成こと五十員。題号て美勇水滸伝と為」 上の図はその一枚、「炎出見命」。記紀神話に出てくる海彦幸彦のうち海彦をあらわす。右下には、その神話の概要が次のように簡単に記されている。 「炎出見尊兄の釣針をかり給ひ 海辺に釣をたれたまひ 終に失ひ 兄の怒甚しきゆへ あかめだいに乗り針を尋ねんとして龍宮に至り 思はず豊玉姫と契干珠満珠の二ツを得給ふ」 絵は、アカメダイに乗って波しぶきをかきわけ、龍宮に向かう海幸彦の姿を描く。 (慶応三年<1867> 中判) |
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