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豊流閣両雄動:月岡芳年の縦二枚継絵 |
月岡芳年は、明治十八年から同二十二年にかけて、縦二枚続きの細長い作品を十五図制作した。画題は多彩だが、芳年らしく武者絵が多い。オーソドックスな武者絵と比べて、独特の迫力を感じさせる。 これは南総里見八犬伝に取材した一点。豊流閣での犬塚信乃と犬飼見八の対決の場面だ。信乃は名刀村雨をすり替えられて、兵に追われ豊流閣に逃げる。そこへ犬飼見八が迫って来る。両者が対角線の両側でにらみ合うところがミソだ。 これは犬塚信乃の表情を拡大したものだ。信乃の表情もさることながら、鬼瓦の表情も生きているようで迫力がある。 (明治十八年<1885> 大判縦二枚続 ) |
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