日 本 の 美 術 |
HOME|ブログ本館|日本文化|美術批評|東京を描く|水彩画 | プロフィール|掲示板 |
うるささう(風俗三十二相):月岡芳年の風俗画 |
明治二十一年に刊行した「風俗三十二相」は、様々な階層の女性たちの表情や仕草をテーマにしたもので、全部で三十二の図柄が作られた。描かれた三十二人の女性たちのうち、徳川時代の女性が二十三人、明治の女性が九人である。それぞれ、うれしそうとか、寒そうとか、痛そうとかいった具合に、女性の感情を「そう」ということばで表現している。 これは「うるさそう」。女性の騒ぐ姿がうるさそうに聞こえるという意味だ。なぜこの女性はうるさそうなのか。それは猫に戯れるあまり、きゃっきゃっと声を上げてうるさく騒ぐからということらしい。 この若い女性は、寝そべりながら猫に頬ずりをしている。された猫は馴れたとばかり、おとなしく頬ずりをさせている。 (明治二十一年<1888> 大判錦絵) |
HOME | 月岡芳年 | 次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2018 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |