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化粧の秋:竹久夢二の美人画




竹久夢二は、画家としてはもとより、デザイナーやイラストレーターとしても活躍した。日本の商業アーティストの草分けだったわけだ。大正末期から盛んに発行されるようになった大衆向け雑誌の表紙絵を多く手掛けた。1924年から1927年にかけて、「婦人クラブ」の表紙絵として制作された作品群はその代表的なものである。

手鏡を前に、化粧に熱中する女を描いている。女の顔は、大きくて印象的な目を中心に、かなりデフォルメされており、マンガ的といってもよい。陰影や遠近はまったく度外視し、類型的な表現に徹している。背景も装飾的である。

原画をもとにして木版で印刷し、それを雑誌の表面にはりつけるという方法をとっていた。夢二ファンはだから、その木版画をはがして保存することができたわけである。

(1924年 木版画 18.0×19.5㎝)




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