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桂離宮その二:日本の庭園




園林堂は持仏堂として作られたが、現在では安置している仏像はなく、建物だけが残されている。本瓦葺宝形作り屋根を持つ、ユニークな形の堂である。賞花亭と同じ島に立てられており、西側にある橋を介して岸と結ばれている。



園林堂とは池を隔てた南西側の対岸に笑意軒がある。農家をイメージして作られた建物で、ここで農民の暮らしぶりに思いを致しながら、茶を楽しんだという。茅葺寄棟造りの屋根に柿葺の庇をつけている。



桂離宮の中心は、三つの建物が雁行形に並んだ書院群である。向かって右側が古書院で、智仁親王によって建てられた。中書院は、智忠親王によって増築された部分、左側の新御殿は、後水尾院を迎える目的で建てられたものである。高床式にしてあるのは、桂川の水害を考慮したとされる。



古書院の高床を利用して突き出るように作られているこの床は、月を見るための工夫である。ここからは、月だけではなく、園内の主要な建物が一望できるようになっている。



古書院の傍らに、池に臨むようにようにして月波楼が立っている。これはその内部から対岸の松琴楼方面をながめたところ。



園内には多くの石灯籠が点在している。二つを除いてほかは、このような低い灯篭である。



庭園の外周は笹の生垣で囲われている。生木の笹を折りたたんで組んだものなので、笹の葉が風に揺らいで涼しさを演出する。






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