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貞観彫刻7:神護寺五大虚空蔵菩薩像



(神護寺五大虚空蔵菩薩像、木芯乾漆造、像高はそれぞれ94-98cm)

神護寺の五大虚空蔵菩薩像は、承和年間(834-47)の末頃に、仁明天皇の発願により、空海の弟子真済が作ったとされる。虚空蔵菩薩は、胎蔵界曼荼羅の虚空蔵院の主尊であり、密教では重視される菩薩である。それが五大虚空蔵菩薩となるのは、虚空蔵菩薩の五つの知恵をそれぞれあらわしたものとされる。(上の写真左から、金剛、業用、法界、蓮華、宝光の各虚空蔵菩薩)

体躯はそれぞれヒノキの一木彫で、内刳りはない。表面に乾漆を塗り、そこに顔の表情や衣文を描いている。また、全身に彩色を施してある。ただし彩色や宝冠、腕の一部には後世の補修の跡が見られる。

ひとつひとつの像を丁寧に見ると、肉厚の体躯や異国風の顔立ちなどに、貞観彫刻の特徴を見ることが出来る。






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