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百鬼夜行絵巻6(妖怪がつまった葛籠)




右端に、幣帛の下にいるのは、猫の妖怪。なにやら巻物を読んでいる。その前の銅鈑子の化け物も、やはり巻物を手に持って読んでいる。銅鈑子は和製カスタネットというべきもので、その名のとおり銅でできている。これを手に挟み持って、左右の銅を打ち付けながら音を鳴らすわけだ。

左端は、ハリネズミの妖怪。このハリネズミは、かなり邪悪な顔つきをしている。



これは、妖怪たちがつまった葛籠。というより、唐櫃から出て来た妖怪たちが、朝の訪れとともに、この葛籠に入っていくのである。右手下の白い褌をつけた妖怪は、中に入ろうとして様子をうかがっているし、籠の上に乗っている妖怪たちも、同じく中をうかがっているのだろう。

籠の上に乗っている三匹の妖怪のうち、左手上のはハサミの妖怪。ほかの二匹はよくわからない。

籠の左側には、赤い旗をなびかせた棹を持つ妖怪と、赤っぽい妖怪が見える。赤っぽい方は、籠の中に入ろうとするようである。





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