日 本 の 美 術 |
HOME|ブログ本館|日本文化|美術批評|東京を描く|水彩画 | プロフィール|掲示板 |
網干図屏風:海北友松 |
海北友松の網干図屏風には、佐野美術館蔵のものと、皇居三の丸収蔵館所蔵の皇居御物がある。上の図柄は、皇居御物の右隻。青々と茂る芦を配して春夏の景色を描く。一方左隻のほうは、秋冬の景色を描いている。 単純な図柄であるが、芦の描き方には精緻な配慮が見られ、繊細さも感じさせる。水を象徴的な形で表した横の線と、網干の垂直的な線が交差する構図は、画面に安定した動きを与えている。 これは左隻の一部。前面の網干よりも背景の水の方が濃く描かれている。通常このような描き方では、前面のオブジェが後退して見えるはずなのだが、この絵の場合にはそうはなっていない。不思議な視覚効果をもたらしている。 (紙本金地着色 六曲一双 宮内庁御物) |
HOME | 海北友松 | 次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2019 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |