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寒山拾得図:曽我蕭白の世界 |
この寒山拾得図は、京都の興聖寺に伝わってきたもの。興聖寺は曽我蕭白の実家の菩提寺であり、蕭白自身の墓もある。その縁でこの作品を寄せたのだと思う。興聖寺は堀川通りにあり、西陣から近かった。蕭白の実家もそのあたりにあったものと考えられる。 前出の寒山拾得図と比べると、構図はシンプルである。前作とは左右の配置が逆になり、左隻に寒山を配置している。その寒山の表情が楽しい。トレードマークの巻物を手にして笑っているが、まるでいたずら小僧のように見える。 一方拾得のほうは、これもトレードマークの箒をひきずり、寒山に向ってなにやら話しかけているようである。こちらの表情は、寒山とは違って、老獪さを感じさせる。 寒山拾得は中国の伝説的な隠者だが、後に寒山が文殊菩薩に、拾得が普賢菩薩に比定された。両菩薩は釈迦の脇待として、もっとも人気の高い菩薩である。 (1762年頃 紙本墨画 双幅 各197.0×115.0cm 京都、興聖寺 重文) |
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