日 本 の 美 術
HOMEブログ本館日本文化美術批評東京を描く水彩画 | プロフィール掲示板



龍虎図:曽我蕭白の世界





蕭白は、龍や虎が好きだったとみえ、それぞれいくつも描いているが、これはその龍と虎を双幅に並べたもの。描き方には蕭白ならではの特徴がある。龍は竜巻に乗った形で頭の部分だけが表現され、虎はいじけた表情でかがみこんでいる。

龍が竜巻に乗るというイメージはわかりやすいが、虎がいじけているのはいかがなものか。この虎のイメージは、無頼派の先輩岩佐又兵衛ゆずりのものだという説が有力だ。龍の表情も、虎におとらずヒョウキンである。

落款には、単に曽我蕭白画とある。1770年代に京都で製作されたと推測されるが、詳しいことはわからない。

(1770年代? 紙本墨画 双幅 各133.5×53.6cm ボストン美術館)





HOME 曽我蕭白次へ








作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013-2021
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである