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風神雷神図:河鍋暁斎の仏画




風神雷神図は、琳派や狩野派が好んで描いたが、河鍋暁斎も狩野派のはしくれとして手掛けた。風神雷神図は非常に人気があったので、注文も多かったのだろう。暁斎は数多く手掛けている。この図はそのなかでももっとも有名なものだ。

狩野派の風神雷神図は、右側に雷神を配するのが普通だが、この絵は風神を配している。この配置は宗達を始め琳派に見られるものだ。暁斎がわざとそうしたのかどうか、意図はよくわからない。

この風神雷神図は、豊かな色彩感が特徴である。背景は墨で処理しているが、両神の本体は極彩色で塗られ、金泥や朱も使われている。特に朱の使い方は効果的で、雷神の本体とそこから発する稲光、風神の足元に舞う落ち葉など、画面に動きをもたらしている。



これは両神の本体にあたる部分を拡大したもの。双福の掛け軸であることを生かして、両神の配置を工夫している。

(明治14年 絹本着色 双福掛軸 各114.3×35.5cm ボストン美術館)






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